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石炭豆知識 石炭ってなあに?にやさしくお答えします。

●石炭って?

石炭は炭層という堆積層から掘り出された石のことで、火を付けると真っ赤に燃えて熱を発することから、
古来から「燃える石」、「黒いダイヤ」として大切にされてきました。
石炭は石油や天然ガスと同じく数千年〜数億年もかかって地中に堆積した化石燃料です。
石炭のある炭層は、普通1〜5メートルくらいの厚さで地中に広がっており、その場所全体を炭田と呼びます。

●石炭はどうやってできるの?

太古の樹木が地中の圧力や地熱、バクテリアの影響を受け、長い年月をかけて堆積してできたといわれています。その場所で堆積して炭層になったという説と、樹木が流氷の作用で遠方に運ばれ、そこで堆積して炭層になったという説があります。
多くは古生代後半(石炭紀)の堆積層で、日本では新生代古第三紀のものが多いといわれています。

※新生代古代三紀(今から約2930万年前〜6430万年前)
※釧路コールマインが採炭している炭田は およそ4500万年前の地層といわれています

●石炭はどんな風にして採るの?>>>詳しくは採炭の様子をご覧ください

炭田(たんでん)で石炭を掘り出すところを炭坑(たんこう)といいます。
炭層(たんそう)の深さが地表から100メートルくらいのところの浅い層の場合は、炭層(たんそう)の上の砂岩(さがん)や頁岩(けつがん)などを、パワーショベルやドラッグラインという機械や、ダイナマイトで硬い岩石を取り除いて石炭を掘る“露天掘り(ろてんぼり)”という方法で採炭(さいたん)します。

地中の深いところや山の中腹、海底にある炭層(たんそう)を掘るときや露天掘り(ろてんぼり)をしたあとに、さらに深く掘り出したいときには、“坑内掘り(こうないぼり)”という方法で採炭(さいたん)します。

それぞれの坑道では、斜坑人車やエレベーター、水平人車で移動し、坑道と切羽は、天井に長くボルトを打ったり、木や鉄製の枠で支えています。
また、採炭プラントでは、コンティニュアスマイナードラムカッターという機械で採炭し、坑道を通ってベルトコンベアーで運ばれます。


◆ コンティニュアスマイナー
(昭和53年12CM 4世代目機種) (昭和32年頃)

◆ ドラムカッター
西ドイツ製(昭和40年代前半撮影) 初代 三井・三池製作所

●石炭にはどんな種類があるの?

石炭は、炭素、酸素、水素でできており、炭素の量が多いほど火力は強くなります。
また、石炭化度の目安となる燃料比(炭素の濃縮度)の違いによって、無煙炭、瀝青炭(れきせいたん)、亜瀝青炭(あれきせいたん)、亜炭・褐炭(かったん)、泥炭などに分類されています。

●石炭はどういうところで使われてるの?

石炭を用途別に分けると、瀝青炭からは原料炭(粘結炭)と一般炭(ボイラー炭)に分けられます。
原料炭と一般炭、無煙炭という3種類にも分類できます。

原料炭は・・・・製鉄用のコークスや都市ガス製造、石炭化学工業の原料として、
一般炭は・・・・スチームや発電用ボイラーなどの二次エネルギーや、暖房などの火力として使われています。
無煙炭は・・・・煙が少ないため、現在では練炭や豆炭などの成形炭としての用途で
一般家庭でも使用されています。
かつては近代産業の主軸燃料として、蒸気船や汽車などにも利用されていました。

●世界にはどれくらいの石炭が埋まっているの?

世界の石炭の総埋蔵量は、約11兆トンと言われています。そのうち、採炭可能な場所にあるのは約1兆トンです。

※釧路コールマインがある 釧路沖炭田には確定実収炭量1億2000万トンの石炭が眠っています。

●世界ではどれくらいの石炭が使われているの?

世界で1年間に採炭している石炭の量は、約48億トン、石炭の可採埋蔵量の多いのは(2002年度統計)、アメリカ、ロシア、インド、中国などの国で、その中で、1/4の採炭量を占めているのが中国です。
日本の生産量は年140万トンながら、使用量は1億5000万トン以上と世界一の輸入国として、輸入量は世界の総輸入量の1/4を占めています。

石炭をこのまま採炭していくと、あと230年で枯渇すると言われています。
ただし、石油は50年、天然ガスはあと60年です。

●日本ではどういう石炭がどんな用途で使われてるの?

日本で最も使用量の多いのは製鉄産業で、石炭を蒸し焼きにし、より燃焼効率の高いコークスにして、鉄鉱石中の鉄分を溶かす働きをします。
火力発電所でも、石炭火力は石油に代わって、原子力に次ぐベース電源として位置づけられています。

<石炭の種類による用途> 炭素量
無煙炭(むえんたん)
石炭化度が高く、燃やしたとき煙が少ない良質の石炭。
家庭用燃料やカーバイドの燃料に使われる。
瀝青炭(れきせいたん)
粘結性が高い。コークスや製鉄用燃料に使われる。
亜瀝青炭(あれきせいたん)
瀝青炭と性質は似ているが、水分を多く含み発熱量が低いことから主にボイラーに使われる。埋蔵量が多いことから、利用技術の研究が進められている。
褐炭(かったん)
低品位の石炭。練炭・豆炭などの家庭用燃料として使われる。
泥炭(でいたん)
石炭の成長過程である泥状の石炭。品質が悪いため、工業用として
使われることはないが、日本では戦争末期に貴重な燃料として使われた。
(炭素量の多い順に並べています) 炭素量

●石炭はいつ頃から、どのように利用されてきたの?

石炭は、今も昔も燃料として使われてきました。
その歴史は、東ヨーロッパでは後期旧石器時代(3万年前〜1万2千年前)の遺跡から石炭の燃え殻が出土していることからもこの時代にはすでに、石炭が貴重な燃料源として利用されたことがわかります。
その後も、調理、暖房、鍛冶(かじ)、火葬などに使用され、イギリスでは、5世紀頃にはすでに、商業的な石炭採掘が始められていたようです。

12〜13世紀には、イギリスやドイツを始め、ヨーロッパ各地で本格的な石炭採掘が行われ、製鉄、染物、醸造(じょうぞう)、陶器やガラス、煉瓦(れんが)製造などの高温を必要とする加熱用燃料として利用されましたが、当時はまだ燃料としての木材が豊富だったため、石炭は一般にはかえりみられませんでした。

16世紀になり、煉瓦(れんが)が普及し始めると、煉瓦(れんが)を焼くための大量の石炭が必要とされるようになり、暖炉や家庭用燃料としても需要がのびることになります。

17世紀にコークスを製鉄用燃料にする方法が考案されると、工業用燃料としての石炭需要は急速に増大します。さらに、18世紀後半の産業革命期には蒸気機関が登場し、動力源として石炭は欠かせないものとなり、石炭産業を飛躍的に発展させました。

その後、19世紀後半に登場した石油が、第2次世界大戦後、中東における大規模な油田開発により、安価で大量に生産されるようになり、エネルギー源や有機化学原料、製鉄などの分野からもその主流は石油に取って代わられることになります。

日本における石炭産業もまた、石油へのエネルギー転換や、日本で算出する石炭が低発熱量の物が多く、直接燃料以外の用途としての限界があったこと、炭層が地下深いところにあり、採炭のコストがかかることにより、急速に衰退していきました。

世界の近代文明は、まず石炭によってもたらされ、その後石油にその主軸を奪われたわけですが、1973年の第一次石油ショック以降、75年発表の石油依存度の提言、省エネルギーの推進、新エネルギーの研究開発の促進をかかげた総合エネルギー対策において、石炭の見直しが行われるようになりました。
熱源や動力源だけでなく、化学工業や製鉄工業の原料として、重要な位置を占めており、その埋蔵量に勝る石油代替エネルギーとしても、利用法が研究、開発されています。